音の始源を求めて 塩谷宏の仕事 2021改訂版 in the beginning of japanese electroacoustic #1 HIROSI SIOTANI works 2021 Revised Edition
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2021改訂版。
1.黛敏郎「素数の比系列による正弦波の音楽」2.「素数の比系列による変調波の音楽」3.「矩形波と鋸歯状波によるインヴェンションの音楽」(1955)
音程、強さ、持続時間を素数比から算出、 正弦波、鋸歯状波、方形波(短形波)、ホワイトノイズ発信器を使って制作された。日本で最初の電子音楽作品。
4.黛敏郎&諸井誠「7のヴァリエーション」(1956)
12音技法の音列作法から発想した音列で倍音のでてこない音列 (49√7n×70として、70Hz-10015Hz)の音階が使用された。 この音列は主として純音、短形波、鋸歯状波に当てはめられ、ホワイトノイズはオクターブ・ フィルターによってバンドカットが行われており、この組み合わせによって一種の音階が形成されている。 数列は周波数選択の構成、対位法、強弱、エンベロープ、時間要素にも適用された。
5.「テーマ音楽」諸井誠(1956-1957)
モノラルからステレオへの移行期に作られた、実験的秀作群。音響合成の実験をくり返しながら電子音楽の製作技術をみがき、スタジオの設備改善や製作器械類の補充を重ねた。
6.諸井誠「ピタゴラスの星」(1959)
第1部 電子音だけではなく、モノローグや合唱、様々な楽器音、 電子楽器オンド・マルトゥノ等、あらゆる発音体を音源とした。この曲ではピタゴラス的発想からの 数列一音列作法が用いられているにも関わらず、音の時間的変化に対する音色の変化により叙情的な劇作品となった。
7.諸井誠「ヴァリエテ」(1962)
数学的音列作法を否定し、音程、強弱、リズム、持続時間の出現率をカード、乱数表等によって不確定、ランダムに分布したチャンス・オペレーション作法が用いられた。持続時間とレベル分布についてそのランダム性を強調するため手作業で制作、又、リズムに関してはテープの手切り編集による技術の極限であると伝えられる。
8.黛敏郎「オリンピック・カンパノロジー(1970)」(大阪万博・再編集版)
梵鐘の音を基本に作曲されたこの曲は1964東京オリンピックの開会式、天皇陛下の入場のために制作された。鐘の音色を決定する要素が、鐘を打たれた瞬間のトランジェットの期間に決定されると言うことを基本的な理論として作成されている。
9.カールハインツ・シュトックハウゼン「テレムジーク」(1966)
奈良のお水取りや雅楽。アマゾン、南サハラ、スペインの片田舎あるいは中国からの音素材をコラージュ的に用いた(オリジナルは)5チャンネルの作品。この作品で彼は「電子音による想像の過程では3つの異なった要素=時間、歴史(伝統)空間を一緒にする事が出来ると」述べている。
こちらから試聴できます。
https://soundcloud.com/oto-no-hajimari/sets/hirosi-siotani-works-2021-1
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