音の始源を求めて 3 佐藤 茂の仕事<放送センター移転と万博の頃>【2025改訂版】 The era of the broadcasting center's move and the World Expo
音の始源を求めて 3 佐藤 茂の仕事<放送センター移転と万博の頃>【2025改訂版】 The era of the broadcasting center's move and the World Expo

音の始源を求めて 3 佐藤 茂の仕事<放送センター移転と万博の頃>【2025改訂版】 The era of the broadcasting center's move and the World Expo

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1.小懺悔 諸井 誠 | 1967
この作品の音の根幹をなしているのは、奈良・東大寺の「お水取り」で収録された法螺 貝、高尾山の法螺貝、そして尺八、太棹三味線、長唄三味線といった日本の伝統楽器の 生 々 し い 響 き で あ る 。こ れ ら の 素 材 音 は 、聴 感 的 に 強 烈 な 変 調 効 果 を 生 み 出 す L A M (Linear Amplitude Modulator) によって新たな生命を吹き込まれている。 こ の L A M の 対 数 特 性 に よ る ト レ モ ロ や ビ ブ ラ ー ト 効 果 は 、聴 く 者 に 強 い 印 象 を 残 す 独特な音色変化をもたらした。この複雑かつ豊かな響きは、1961年に製作 された「電子音楽用 6トラック録音機」という、当時の技術的限界を超えたツールを駆使 することで初めて実現可能となった。

2.ディスプレイ ‘70 | 1969 柴田南雄
この曲は、打楽器音と電子音の組み合わせで構成されており、それぞ れの音素材の個性が際立つよう、楽器音と電子音の対比が重視されて います。「ディスプレイ」とは「展示する」という意味で、この曲は大阪万国 博覧会(1970)の日本政府館で再生するために制作されました。 当時、電子音楽室「CC-500」は新しい設備でしたが、音の記録はまだ「テープ録音」が主流でした。本作の制作では、数百もの異なる素材音が 作られ、それぞれの音に音量差をつけながら、作品の時間軸に合わせて テープを編集する、非常に手間のかかる「オフライン制作」が行われました。 現代のようにコンピュータで容易に音を扱える時代とは異なり、非効率的 な作業でした。。

3.電子音と声による「まんだら」 黛 敏郎 | 1969黛 敏郎
 この曲は、LAMとリング・モジュレータを駆使して制作されました。 特にLAMは、音量調整器として開発されましたが「変調効果」にも優れ ることが分かり、積極的に活用されています。 曲の前半では、多数のサイン波を重ねた「クラスタ音」から、フィルタと LAMで切り出した小鳥のさえずりのような音や、ホワイトノイズを元にし た低いうなり音が使われています。 このクラスタ音は、数百種類もの素材の周波数と音量をランダムに変 化させて重ね合わせた合成音を、フィルタで周波数ごとに分け、LAMで リズムを刻むことで、個々の音が作り出されました。これはまさに、数百台 の発振器が同時に鳴る状態の瞬間を切り取ったような、再現不能な偶然 の音と言えます。 曲の後半は、日常的な「笑い声」例えば、日常的な笑い声や、浄瑠璃の 笑い声をリング・モジュレータで変調したり、フィルタで加工することで、 独特のサウンドが生み出されています。

4.ボイセスカミング 湯浅穰二 | 1969
作曲者は、電子音楽について振り返るなかで、次の様に述べています。 「私は1957年にハーバード・リードの『イコンとイデア』を読み、多くの 影響を受けた。同時に鈴木大拙の『禅と日本文化』を1953年から読み 始め、次々と彼の本を読んだ。そして、一体何が日本か、何が西洋かでは なく、何が人間にとって大切なものか、と言うことを学んだ。一体何が人 間を規定するのか、を考えると音楽の発生も人間の声の発生も同時にあると思った。言語の発生、つまり私と私以外のものを決める、つまり、 私と、それ以外のもの。」そこで、次のような人間の言葉、言語の三部作 を作ることになった。

5.ブロードキャスティング 篠原 眞 | 1973
この曲は、作曲者がヨーロッパから帰国した際にNHKの放送を聴き、 その「現実」をコラージュの手法で表現しようとした作品でしたが、その 制作にはいくつかの大きな困難がありました。そのひとつ目は、NHKのラ ジオ放送(中波2波、FM1波)を、それぞれ丸一日、録音し続ける壮大な 計画だったのでした。そのためには、6台のテープレコーダと100本の 6mm幅録音テープが必要で、これを約1時間ごとに交換し、すべての放 送を完全に録音するという手間がかかりました。 もうひとつは、曲の長さである19分35秒に合わせるため、録音された 一日分のラジオ放送の内容を短縮し、一日が凝縮されたかのようにコ ラージュされた録音テープを制作することでした。しかし、この合成時に 問題が発生しました。当時のアナログテープレコーダは、2台以上同時に 再生すると、約5分後にはそれぞれの録音機間で再生音が0.数秒ずれる のが常でしたが、作曲家にとっては、このわずかな時間のずれは許容でき ませんでした。 そこで、技術者は録音機のずれの状態を調べ、テープ編集でその誤差 を修正する作業を行いました。ところが、修正を施して録音再生機は毎 回、異なる場所で同期がずれてしまいました。そこで、この修正のため、担 当者は10日ほど毎日、編集に明け暮れ、疲労困憊しました。


1. Shosange MAKOTO MOROI 1967
This piece is an early example of complex sound manipulation, utilizing a unique six-track recording machine from 1960. The core sound sources—conch shells, shakuhachi, and shamisen—are processed with a Logarithmic Amplitude Modulator (LAM), creating intense tremolo and vibrato effects. The sound is then layered in a fugue-like arrangement with delays and modulation. The use of a vacuum tube-based recorder gives the piece a soft tone despite a poor signal-to-noise ratio, showcasing the sonic characteristics of analog technology from that era. Notably, this work was the last to be produced at the Uchikoumachi Broadcasting Hall.

2. Display ‘70 MINOA SHIBATA  1969
Created for the Japan Government Pavilion at Expo '70, this piece juxtaposes percussion and electronic sounds, emphasizing the contrast between acoustic and synthesized timbres. The composition relied on an intensive offline production method, where hundreds of unique sound materials were meticulously assembled. This process required manual volume adjustments and tape editing for each individual sound, highlighting the highly laborious nature of electronic music production before the advent of digital workstations. The piece serves as a testament to the dedication required to craft complex sound collages in the pre-computer era.


3. MANDARA with Source of Voice and Electronic Sound  TOSHIRO MAYUZUMI  1969
This work showcases the sophisticated use of LAM and ring modulation to transform diverse sound sources. The first half features rich, evolving textures created by modulating a dense cluster of hundreds of random sine waves and white noise, producing "fortuitous sounds" that are impossible to replicate. The second half processes various forms of human laughter—from everyday speech to traditional Joruri performance—using filters and modulation. This intricate sound design creates a unique sonic palette, blending meticulously crafted electronic textures with organic vocal material.

4. Voices Coming JOJI YUASA 1969
Joji Yuasa's Voices Coming is the first part of a trilogy exploring the relationship between the human voice, language, and the concept of "self" and "other." Influenced by the philosophical ideas of Herbert Read and D.T. Suzuki, Yuasa views the origins of music and the human voice as intertwined. This piece serves as a theoretical and sonic investigation into the fundamental nature of communication and identity, using electronic music as a medium to delve into these profound themes.

5. Broadcasting MAKOTO SHINOHARA 1973
Inspired by the "reality" of Japanese radio, this piece is a sonic collage created from a full 20 hours of continuous NHK radio broadcasts. The production was a monumental effort, requiring six tape recorders and over 100 reels of tape. The biggest challenge was synchronizing multiple analog tape recorders for the 19-minute-plus collage. The subtle, unpredictable drift between the machines was deemed unacceptable, leading to ten days of exhaustive manual tape editing to align the audio. This piece perfectly illustrates the immense technical and logistical hurdles of working with multi-track analog tape, challenges that are nonexistent in today’s digital era.


こちらから試聴できます。
https://soundcloud.com/oto-no-hajimari/sets/ouoadm0501

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